日本の景気「足踏み」に下方修正、それでも企業収益や株価は堅調に推移すると考えられる理由Photo:PIXTA

日経平均は4万円台と好調だが
内閣府は景気判断を下方修正

 日経平均株価が4万円台を記録するなど、日本株は堅調な推移が続いている。株価が堅調に推移する背景には、景気回復や企業業績拡大、さらには、こうした動きの継続への期待が高まっていることがある。

 ただ足元では、景気指標にやや弱めの動きもみえている。景気と連動する代表的な10系列を合成した景気動向指数・CI一致指数は24年1月に急低下した。

 内閣府の基調判断は、前月までは「改善」(=景気拡張(回復)の可能性が高いことを示す)との判断だったが、1月の結果をもとに「足踏み」(=景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す)に下方修正された。

景気動向指数が落ち込んだ理由
大手軽自動車メーカーの影響大きい

 景気動向指数・CI一致指数の内訳をみると、鉱工業生産指数や耐久消費財出荷指数が大幅に落ち込み、同指数の急低下をもたらした。両指数の落ち込みは、大手軽自動車メーカーの出荷・生産停止の影響が大きい。

 しかし、鉱工業生産・出荷指数をみると、すべての業種、財が前月比で低下している。中華圏の春節のずれや年末年始の曜日の並びの関係で季節調整が十分でなく、1月は実勢より弱めの推移となったことも考えられる。一致指数の大幅な低下も、一時的要因によるところが大きいといえる。