賃貸物件への投資をどう考えるか
サラリーマン投資家が取り組みやすいアパート・マンションなどのレジデンス分野での投資については賃貸需要が減少する中で中長期的に入居率を落とさずに運営していくことは次第に困難になっていく。
その中でも、少子高齢化に伴って高齢者層の賃貸需要が増加する一方で若年層の賃貸需要が減少するなど、需要の内訳の変化はあるが具体的にその変化を捉えて賃貸物件の投資に反映させることは難しいだろう。
せいぜい言えるのは、今まではファミリー向けの賃貸物件は供給が少なく一度入居すれば長期間入ってくれるという理由でファミリー向けの一棟ものマンションに絞って投資をしていた人はよく考えてください、というのが関の山だ。
ファミリー向け賃貸物件が単身者向け賃貸物件と違っている点は、入居者募集において他のファミリー向け賃貸物件と競合するだけではなく売買市場と競合するという点だ。単身者向けのワンルームを実需として購入する層は非常に稀なのに対して、ファミリー物件の場合には現在の支払い家賃とローンの支払い額を比較してローンの支払額のほうが低い場合には賃貸物件から退去して購入するという点で売買市場との競合になるということだ。長期にわたる低金利、35年間固定金利のフラット35、住宅ローン減税など持家を促進する要因をあわせて考えるとファミリー向け賃貸物件の将来は暗い。
【既に収益物件を保有している方の場合】
地価上昇の局面で売却して利益がでるのなら売却してもいいのではないか。
今回地価上昇があったとしても、次に日本にそのタイミグが訪れるとは限らないし、その物件の耐用年数から考えて、今回が最後の地価上昇の可能性もあり得るのだから。
物件売却で種銭ができたら、後述のように通常のレジデンス系以外のものを検討してみるというのも一案だ。