2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、円安や物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は花王、資生堂、ユニ・チャームの「生活用品」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
花王・資生堂が通期決算でも減収減益
その要因とは?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の「生活用品」業界3社。対象期間は2023年8~12月期の四半期(3社いずれも23年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・花王
増収率:マイナス3.9%(四半期の売上高4067億円)
・資生堂
増収率:マイナス17.7%(四半期の売上高2506億円)
・ユニ・チャーム
増収率:4.5%(四半期の売上高2544億円)
生活用品業界の3社では、花王、資生堂が前年同期比で減収、ユニ・チャームは増収となった。
直近四半期で減収となった花王と資生堂は、23年12月期通期の業績も減収減益と苦戦した。それぞれ不調に陥った要因は何だったのか。
次ページでは、各社の増収率の推移と紹介するとともに、花王と資生堂の業績について詳しく解説する。