モスクワ郊外にあるコンサート会場「クロッカス・シティ・ホール」で22日に起きたテロ事件は、100人以上が殺害されるという人道に対する残虐な犯罪だ。多くの重要な事実は依然として明らかになっておらず、ロシア政府がこの危機を国内外で利用しようとすれば、真相がますますはっきりしなくなるのはほぼ間違いない。最近行われた偽りの選挙の直後に発生した今回の事件は、独裁者ウラジーミル・プーチンにときの声を上げる機会を与えた。ロシア政府がウクライナで「戦争状態」にあると初めて宣言した翌日のことだ。疑心暗鬼になるのは、ソ連で生まれた全ての人と同様、筆者が生まれながらにして持つ権利だ。しかし、ロシア政府の公式な筋書きは既に混乱している。「戦争反対」とささやいただけで30秒後には拘束される可能性がある、世界で最も監視が徹底した都市の一つで、テロリストたちは1時間以上攻撃を続け、簡単に車で逃走した。