上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

パワハラが社会問題となって久しい中、上司も部下の扱い方には気をもんでいます。一方で、部下の立場としては、強く否定されることはないものの指導されることも少なくなり、自分の評価に不安を感じたり、仕事能力の向上に物足りなさを感じたりしている人も多いのではないでしょうか。そんな上司との関係性にモヤモヤを抱えている人は、「上司を動かす対話スキル」を身に付け、仕事に生かしてみましょう。(株式会社シーウインプロ代表 斉藤由美子)

上司の指導が物足りない…
どうやって伝える?

「ゆるい職場と若手」について研究してきたリクルートワークス研究所が、大手企業で29歳以下の社員を部下に持つ課長級管理職を対象に実施した調査によると、「職場の部下を褒めたり、たたえたりする機会」については、「毎日のようにあった」と答えた人が11.7%、「週に数日程度」が29.9%、「週に1日程度」が25.0%となっています。

 一方で、「職場の部下にフィードバックや指導をする機会」では、「毎日のようにあった」が9.6%、「週に数日程度」が20.6%、「週に1日程度」が17.5%。また、フィードバックや指導をする機会が「年に数回程度、それ以下」という人も27.4%に上っています。

 この調査からも、褒めたり、たたえたりするよりも、フィードバックの頻度は相対的に少ないことが分かります。

 褒められるのはうれしいけれど、仕事ができるようになっている実感がわかない――そんな気持ちを持っている若手も多いのではないかと想像します。

 ただ、「もう少し突っ込んだフィードバックがほしい」「指導が物足りない」と思っても、上司にどう伝えればいいのか悩むかもしれません。

 そんなとき、上司とのコミュニケーションにおけるコツを知っておくと便利です。