「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏(FIDIA社長)は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、FIDIA役員の橋本雄一氏。橋本氏は「CRO」(チーフ・リレーションシップ・オフィサー)というFIDIA独自の役職で事業拡大に大きく貢献した。今回は本書にも登場した橋本氏に「人脈をビジネスにつなげるための重要なポイント」を聞いた。
キーマンを押さえる
――いくら人脈があっても、仕事につながる人とつながらない人がいます。
その差は何でしょうか? 橋本さんは仕事につなげるために常に意識していることはありますか?
橋本雄一(以下、橋本):僕はこの会社に入る前は、ある派遣会社の取締役をやっていました。
派遣会社なので、人材は求人で集まりますが、クライアントは営業に行かないと取れない。でも、死ぬほど営業してもなかなか取れない。僕自身、テレアポも得意でしたが、これが取れないんです。
でも、あるとき、一度クライアントと飲みにいったら一発で取れてしまったことがあった。
そして、その人が影響力のある人だったので、その人から次の人、そしてもう次の人へと、どんどんクライアントが増えていった。
やっぱり「キーマンを押さえる」というのが営業で一番重要だと悟った瞬間です。
派遣会社のときに学んだのは、「何事も飲みにいくのが一番早い」ということでした。
自社の事業のすごさを伝えられるか
FIDIA入社後はしばらく人材事業をやっていたので、知り合いの人材会社にどんどん仲間を紹介してもらい、クライアントは増えていきました。
FIDIAに入ってよかったのは、事業数が多いところ。
誰と会っても「すごいね、橋本君の会社は。一緒に仕事をやろうよ」と言ってもらえます。11事業あれば必ずどこかにハマりますから。
僕がずっと人と会ううえで大事にしているのは、FIDIAの「事業のすごさ」を伝えること。
他社では絶対できない、FIDIAだからこそできるものがたくさんあるので。
会食しながら仲良くなれれば、何かしら必ずビジネスができると思っているので、後はどんな人とおつき合いしていくかを考えるだけです。
人脈があってもビジネスにつながる人とつながらない人の差
――なるほど。ただ、人脈ができたところで、こちらの事業が未熟だと次につながりませんよね。
橋本:そうですね。お互い良いものを持っていないとなかなか事業になりません。
僕は「本物こそが本物をつくる」という言葉が好きです。
これはFIDIAの理念にも入っています。
本物であれば人を紹介しやすい。
偽物や詐欺めいたものを人に勧めることほど、信頼関係が崩れるものはありません。
事業規模の大小にかかわらず、僕は「本物であるか」という点に一番こだわっています。
だから、クオリティが高ければ、事業規模が小さくても、自信満々に人に伝えることができます。
最終的に人脈があってもビジネスにつながる人とつながらない人の差は、僕は「本物にこだわっているか」という一点にあると信じています。