セブンイレブンが「レジ横ドーナツ」再挑戦!ブーム終了→まさかの復活目指すワケPhoto:Bloomberg/gettyimages

コンビニの「レジ横ドーナツ」と言えば、今から8~9年ほど前にブームを巻き起こしたものの、勢いを継続できずに雲散霧消したと考えられていた。しかし、である。実は最近、セブン-イレブンが一部店舗のレジ横で再び売り出していたことが分かった。関係者は「あくまでテスト販売で、すでに終了している」と口を閉ざすが、なぜセブンは期待外れに終わったドーナツの復活を目指すのか。その意図を探った。(流通ジャーナリスト 森山真二)

セブンの「レジ横ドーナツ」が
テスト販売でまさかの復活!

「失敗しても、何度でも挑戦する」――。セブン&アイ・ホールディングス(HD)の井阪隆一社長の言葉である。すっかり定番商品となった入れたてコーヒー「セブンカフェ」も、失敗を重ねた末に現在の風味やマシンにたどり着き、人気を獲得したことで知られる。

 そして最近も、井阪社長の言葉通り、かつて失敗したはずの商品がセブン-イレブン(以下セブン)の一部店舗に並んでいたことが分かった。その商品とは、レジ横のホットスナックコーナーで売られる「揚げたてドーナツ」だ。

 本連載で今年1月に解説した通り、コンビニ大手各社は2015~16年頃、競ってドーナツの什器(じゅうき)を導入し、レジ横でドーナツを売り出した。だが売り上げは期待外れに終わり、いつの間にかレジ横からドーナツは雲散霧消した。

>>本連載の過去記事『コンビニ・レジ横の「ドーナツ」なぜ消えた?救世主扱い→期待外れの末路たどったワケ』(1月2日掲載)を読む

 その後、ファミリーマートやローソンも含め、各社はドーナツを完全に諦めたかに思えた。だが、セブンだけは復活の機会をうかがっていたようだ。昨年末~今年頭にかけて、インターネット上でちらほらと「セブンのレジ横でドーナツを見た」という目撃情報が浮上。あるブロガーは「東京都の墨田区、新宿区、港区、荒川区」のセブンで売っていたと報告していた。

セブンイレブンが「レジ横ドーナツ」再挑戦!ブーム終了→まさかの復活目指すワケ東京都内の某店舗で売られていたドーナツ(3月末撮影) Photo:DIAMOND
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 ただし筆者の知る限り、セブンは「ドーナツ再挑戦」について大々的な発表は行っていない。取り扱っている店舗は開示されておらず、関係者も「あくまでテスト販売であり、3月末で販売を終えた」と口を閉ざす。もしかすると以前にも再販売を試みていた可能性はあるが、その情報も公にはなっていないようだ。

 関係者の言葉通り、セブンはレジ横ドーナツを完全復活させたわけではなく、新たな売り方を模索している段階なのだろう。とはいえ、同社が人気再燃を諦めていないことは、紛れもない事実だと考えられる。

 セブンはなぜ、ブームが去ったはずのレジ横ドーナツに再挑戦するのか。限られた手掛かりをもとに推理してみたい。