ブラック企業に勤めながら、貯金0円から1億円を貯めた男の生活とは!?「給料が全部貯まっていくんです」と語り、独特の節約生活がSNSで大バズり! テレビ朝日、TBSなど、各種メディアや韓国や台湾、中国、タイ、ベトナムなど海外でも話題になったのが、絶対仕事辞めるマン氏だ。同氏の蓄財の道のりや、節約生活のすべてを明かした初の著書『1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活』が刊行された。節約生活のきっかけから、貯金の過程や具体的な節約テクニックまで、究極の節約思考とその実践法を丁寧に解説した1冊だ。今回はその刊行を記念し、内容の一部を紹介する。

1億円の貯め方Photo: Adobe Stock

「少しの贅沢」こそ浪費のはじまり

 寮で生活していたため支出には家賃が入っていないとはいえ、月4万5000円生活はとても貧しいものでした。これで食費、光熱費、被服費、交通費や飲み会などをすべて賄わなければなりません。娯楽などもってのほか。

 食事は1日1食、昼食だけでした。会社では残業中に夕食を食べることは「サボり」とみなされるため、周囲で食べる人はほぼいませんでした。だから、帰ったらそのまま寝るだけ。しばらくしたら体が慣れてきたものの、いつもお腹をすかせていましたね……。光熱費もたいしたことがありませんでした。だって、ほとんど家にいないのですから。

 そういうわけで、時にはなんと支出が4万5000円にすら届かず、余らせる月もありました。そんな時は少し贅沢もしたくなるものです。休日に「ちょっと回転寿司にでも行こうか」とか「ウナギでも食べてみようか」とか。でも、そんな自分を許しませんでした。

 そういう心の緩みによって、計画は破たんしかねません。あなたの目標は何ですか? 1円でも多くお金を貯めて計画を確実に履行することではないのですか? 何が寿司だ! 何がウナギだ! 私は懲役10年(予定)の地下労働者。その罪状は「氷河期世代罪」だ。「懲役」と思えば、生活水準はどこまでも下げられます

 こうして自分を戒め、爪に火をともすような生活で月末に余った数千円は……。使わず貯金しました。やりすぎの感もあるのですが、今思えばこれは正解だったと思います。少しでも贅沢をしようものなら、そこから決意が崩れていく可能性がありましたからね。

 働くうちに昇給して月の手取りが10万円増えても、生活を変えなければ6年間で720万円も蓄積が違ってきます。ボーナスへの影響も考えればもっと大きいです。もちろん、手当もすべて貯金です。

「お金を使う=幸せ」ではない

 こうやって私には極度の節約習慣がつき、しかもたまの贅沢すらもしなかったので、だんだんこれが普通になっていきました。この本を執筆している20年後の現在も似たり寄ったりの生活ですが、あまり悲壮感はありません。これが私にとっての普通の生活なのです。むしろ意外と心地よい。

 生活水準は一度上げるとなかなか下げられないそうです。私は最初から一貫して最低だったのが功を奏しました。コツコツFIRE修業をする方は、安易に生活水準を上げないようにしましょう。

 支出や消費に関しては、私は大学生のころからまったく進歩していません。20年もブランクがあるから小学生の金銭感覚に退化している可能性すら……。なにせ、10円単位で喜怒哀楽が変化しています。

 他人からどう見えるかはさておき、幸せのハードルを低く保つことが大切ですね!

(本稿は、『1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活』を抜粋、再構成したものです)