「本当にそれで大丈夫?」「こうしたほうがいいんじゃない?」そんなふうに言われてしまうことはありませんか? 「なぜいつも、干渉されるんだろう……」と悩んだとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
累計20万部を超えるベストセラー著者、林健太郎氏が執筆した『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から「しんどい相手」が「心地よい人」に変わる、いい距離感を保つためのコミュニケーションを本記事で紹介します。

思わず干渉してしまったときの「リカバリー術」
はっと気づくと、つい口をついて、「え~それどうなのよ!?」「おかしいよ」「こうしたほうがいいよ」という言葉が飛び出してしまうこともあるでしょう。
そんなとき、うまくリカバリーする方法についても説明します。
参考になるのが、関西圏の人がしばしば語尾につける、「知らんけど」です。
「それアカンわ、怒られるんちゃう? ……知らんけど」
このように「いや、わかんないけどね」という意味の言葉を最後に添えると、はっきりした意見でもマイルドな印象になりますね。
あなたも、「言っちゃった」ときはこの作戦を使ってみてください。
「知らんけど」をそのまま使えとはいいません。似た表現は、他にもいろいろあります。
「そんなのおかしいよ! ……どうなんだろ。わかんな~い」
「そんなのおかしいよ! ……いや、そういう考え方もあるのかも」など。
批判や押しつけのニュアンスが、ぐっと薄まりませんか? 断定的な意見に、一つ風穴をあけるようなイメージです。「退路を残す」もしくは「選択肢を一つ増やす」表現と言えます。
「あっ」と思ったら、すぐにひと言つけ加える
コーチングでも、リカバリーの言葉はしょっちゅう使います。プロのコーチでも、うっかり「言っちゃう」ことがあるのです。
そんなときの、最も直球型のリカバリー表現はこちら。
「あっ、私が言う役割じゃなかったかもしれませんね」
これは少し、真面目なバージョンです。もっと効果的なのは、「ユーモア」を交えたリカバリーです。
「あ、ごめん、今のなし!」
「もう一回やらせてもらってもいい?」
「……と言ったけど、なしにして、テイク2いきます!」
「……なんてね、今のはリハーサル。これから本番です!」
など。
批判的なことを言ってしまったときは、二人の間の雰囲気がぴりっと緊張しますよね。
そんなときこそすかさず、相手がくすっと笑ってしまうような、ユーモアあふれる言い方で空気を変えましょう。
「あっ」と思ったらすぐに言う。これがリカバリーを成功させる最大のポイントです。
早ければ早いほど、効果は大きくなります。
その反射神経を鍛えるには、地道な訓練あるのみ。
失敗したら、また次、挑戦しましょう。
自転車に乗ることを覚えるときに、一度も転ばない人はほとんどいません。
転びながら上達すると思って、めげずに何度もトライしてみてください。
リカバリーするときは、次の心得を持つことも大事です。
「相手は、自力で答えを導き出せる、成熟した人間である」と信じる。
あなたがわざわざ意見を言わなくても、相手は自力で、道を見つけられます。
「無理無理、この人は頼りないから」と決めつけるのは禁物です。
今現在、頼りない態度や行動を取る人が、これからもそうだとは限りません。
(本記事は『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から一部を抜粋・編集して掲載しています)