ニュースな本写真はイメージです Photo:PIXTA

忙しい日常で、親子の時間が習いごとや予定で埋まってしまってはいないだろうか。それでは子どもにとって本当に必要な能力が育たない。そこで注目を集めているのが、親子キャンプだ。失敗をたくさん経験することで、子どもにどんな変化が起きるのか?※本稿は、小宮山利恵子『好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ?どうして?」の伸ばし方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

失敗を体験できるキャンプは
人間力を鍛える絶好の機会

 キャンプは五感を使ったアナログの学びの宝庫です。やる気、協調性、粘り強さ、計画性、創造性、想像力、コミュニケーション能力といった数値化できない非認知能力を育むために、今後は教育現場でもキャンプが導入されていくだろうと私は考えています。

 たとえば、火起こしにもコツがあります。燃料がないときはマグネシウムの棒や粉を使ったり、松の木を使ったりして火を起こす方法があることは、実際に自分で体験してみないとわかりません。

 ライターや着火剤を使って簡単に火をつけられたとしても、料理が終わるまでずっと燃やし続けるのもコツがいります。

 また、川の水はそのまま飲めませんが、浄化方法を知っていれば飲み水に変えることができます。これも自分で実験してみて初めて納得できます。

 野外でご飯を炊いたり、食材を切って煮たり焼いたり、テントを張ったりするのも、試行錯誤の連続です。

 快適で便利な日常生活とは真逆の不便な環境で、無駄や失敗を多く体験できるキャンプは、人間にしかない力を鍛えられる絶好の機会なのです。