日本の岸田文雄首相が来週、国賓待遇の米国訪問でワシントンに向かう際、記者団は夕食会のメニューや招待客名簿、サプライズの歓待に注目する。政策通の人々は骨の折れる交渉によってまとめられた(そして苦痛なほど長い)共同声明を丹念に読むだろう。しかし、そうした派手な要素を取り除いて情勢を広い視野で見れば、今回の訪問が典型的な首脳訪問ではないことは明らかだ。ジョー・バイデン米大統領と岸田首相の会談は、一つの時代が終わり新たな時代が始まる米日関係の重大な変容を示すものとなる。両国それぞれの戦略的姿勢において、重要で相互に補強し合う二つの変化が起こりつつある。一つ目の変化は、日本が米国のインド太平洋戦略の中核部分で、安全保障上の完全なパートナーになりつつあることだ。日本政府が昨年、日本製の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を米国に提供することに同意したのは、こうした変化の小さいながらも重要な一例だ。