写真:廬山寺廬山寺 Photo:PIXTA

大河ドラマ『光る君へ』の人気で
源氏物語の舞台を探す観光客たち

 京都の花見の季節はかつてない数の外国人観光客を迎え、もはや穴場などないほどとなった。定番の名所を好む日本人と違い、彼らはSNSなどでインスタ映えする場所を探し、そこに怒濤のごとく押し寄せていた。

 一方、日本人観光客については、NHK大河ドラマ『光る君へ』の好評を背景に、紫式部や源氏物語のゆかりの地を探し歩く姿が目立った。

 ところが、この歴史の現場を探すというのがなかなか難しい。その理由のひとつは、平安時代と現代とでは、京都の町の場所が微妙にずれていること、もうひとつは、源氏物語の舞台は現実の場所をヒントにしてはいるが、架空のものもあることだ。

 それについては私の新刊『地名と地形から謎解き 紫式部と武将たちの「京都」』(光文社知恵の森文庫)で地図と共に解き明かしたのだが、今回は現在の京都と平安京の違いを主に解説してみたいと思う。