ドラマ化しにくかった『源氏物語』
紫式部を主人公として大河ドラマ化
NHK大河ドラマ「光る君へ」がスタートした。原作が『源氏物語』だと誤解していた人も多いが、大石静氏のオリジナル脚本で、主人公は光源氏ではなく紫式部である。
この紫式部のDNAは現代の皇室にも受け継がれており、愛子さまが学習院大学で『源氏物語』の研究をされているのも、ご自身のご先祖の作品を扱われているということになる。
そこで今回は、紫式部の出自と子孫について紹介したいと思う。
大河ドラマは、1963年に幕末の井伊直弼を主人公にした「花の生涯」でスタートした。舟橋聖一の原作、北条誠の脚本、冨田勲の音楽で、尾上松緑、佐田啓二、淡島千景など映画や舞台でしか見られなかった大物をそろえ、「映画に負けないテレビドラマ」を誕生させた。
NHKは、この成功の余勢を駆って、「赤穂浪士」「太閤記」「源義経」という各時代を代表する日本人の大好きな題材を取り上げて大成功した。
この頃から、『源氏物語』を取り上げてはという期待はあったのだが、なかなかドラマにしにくい素材ということで断念されてきた。
ただ、紫式部を主人公にしたらいいのではという案は、かなり古くからあったようで、今回はそこに藤原道長を「初恋の人」的なものとするフィクションを絡めるようだ。