セダンは従来以上にセダンらしい
ひとつの完成形
ブラックパッケージ(op19万8000円)の20インチ仕様は45タイヤ装着とは思えない入力の優しさと無駄な動きを抑えたバネ上のフラット感が見事である。標準の19インチ仕様は「エアサス付き?」と錯覚するレベルで、クラウン伝統の味わいを色濃く受け継ぐ。
ドライブモードはショーファーニーズに合わせてリアシート優先のリアコンフォートを用意。体感すると路面の凹凸を伝えにくくするAVS設定と無駄な動き(とくにヨー方向)を出しにくいEPS制御の効果が顕著に感じられる。後席では、ある意味クルマに乗っていることを忘れる。
結論にいこう。セダンは従来以上にセダンらしいと感じた。16代目は4種類のバリエーションを備え、各々に明確なキャラクターが与えられたことで、いままで以上に“クラウンらしさ”を突き詰めることに成功している。
つまり、16代目の“変革と挑戦”はクラウンを打ち壊したと思いきや、実はそのDNAをより濃厚にしたと、分析している。超一級の快適性と環境性能を誇り、しかもドライビングの楽しさを実現したニューフォーマル。セダンはひとつの完成形といえる。
(CAR and DRIVER編集部 報告/山本シンヤ 写真/原田 淳)