新たな発想で作られたセダン
FRプラットフォームでニューフォーマルを提案
16代目クラウンの企画当初はクロスオーバーのみの設定だった。それが、クロスオーバーがある程度カタチになった段階で豊田社長(当時)から「セダンも考えてみないか?」という提案があったという。クラウンを開発するMSカンパニーの中嶋プレジデントは「正直いうと、耳を疑いました。でも『セダンの呪縛が解けたいまだからこそ、新たな発想でセダンを作りなさい』という問いかけに聞こえました」と当時を振り返る。
そんな経緯で誕生したのが、今回紹介するセダンである。ネーミングは単に“クラウン”を名乗る。
最大の特徴は他がエンジン横置きの4WDなのに対して、縦置きレイアウトのFRを採用した点。これはMIRAIをベースにしたためだ。同じ車名で2つの異なるレイアウト(プラットフォーム)を用意した例は、過去のトヨタ車を振り返ると1980年代のコロナ/カリーナ、そしてカローラ/スプリンターまで遡る。