米国には銃メーカーを多額の訴訟から守る連邦法があるにもかかわらず、銃を使った暴力事件で業界が民事責任を問われるリスクが高まっている。メキシコ政府は、麻薬密売組織への武器供給源になっているとして、巨額の賠償金を銃メーカーに求めた。民主党が主導する米8州には、銃メーカーを提訴しやすくした州法がある。裁判所では、銃乱射事件の遺族が提起した複数の訴訟が進行している。かつては銃業界が過失やパブリック・ニューサンス(公的不法妨害)で提訴されることはほぼないと考えられていたが、今や問題は最高裁に持ち込まれる運命にあるようだ。銃業界のロビイストは共和党主導の議会を説得し、不法行為を巡る訴訟で銃の販売・流通・製造業者の幅広い免責を認める法律を2005年に可決させた。