「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのはFIDIA役員の高橋良巳氏。野村證券の国際金融部門や、ソフトバンク・ファイナンス・コリア、SBIコリア社長、SBIホールディングスの取締役執行役員を歴任し、本書で「狙うは孫正義氏、北尾吉孝氏から絶大な信頼を得た男」として登場。現在、グループ会社で、ベンチャー企業への投資をメイン事業とする「グローバルフロントインベスメント」の代表を務めている。そんな高橋氏は、『スタートアップ芸人』をどう読み解いたのか。今回はグローバルに活躍してきた高橋氏に「世界で活躍する日本人の特徴」について話を聞いた。
ワークエンゲージメントを高める秘密とは?
――『スタートアップ芸人』の中で最も印象に残っているテーマは何でしょうか。
高橋良巳(以下、高橋):「ワクワクのタネを埋めてくる」というテーマです。
実はかつて在籍した企業とFIDIAは、とても共通点が多い。なかでも、最も特徴的なのが「ワクワク」というキーワードなのです。
――世界で活躍し続けてきた高橋さんがかつて在籍した企業とは?
高橋:僕は野村證券の営業出身です。そもそもなぜ野村に入ったかというと、海外留学制度がしっかりしていたからです。
ところが、ロンドンやニューヨークに行くと思っていたら、韓国行きを命じられ、青天の霹靂でした。
でも、野村證券がソウル支店を開き、僕は27歳にして早くも運転手付きの営業部長になった。当時、27歳だった僕は相当生意気だったでしょう。
おかげさまで経済界、政界のVIPにかわいがっていただき、それ以来の人脈は今も僕の財産です。
韓国は1997~99年に通貨危機を経験し、金融システムは麻痺状態に陥りました。
そのど真ん中にいた日本人は少ないと思います。
僕はこれまで、韓国第1号のVC(現・SBIインベストメント)のCEO、ソフトバンク・ファイナンス・コリアとSBIコリア・ホールディングスで社長を経験しています。
また、韓国初のオンライン証券会社「E Trade証券」を設立し、IPOを達成しました。
どの現場でも共通しているのが、常に“ワクワク”が隣にあったことです。
ポジティブで快い高揚感(ワクワク感)は、ワークエンゲージメントが高まるからでしょうか。
ワクワクできる会社は伸びるし、若手も成長するのです。
世界で活躍し続けている人に共通する人の特徴
――本書では「ワクワク」がどのように登場しますか?
高橋:森社長がヘッドハンティングの面談時に、「相手の胸の真ん中にワクワクのタネを埋める」ことを意識している話や、「ワクワクのタネ=個々人のモチベーションのスイッチ」のような形で登場します。
仕事をするうえで、なくてはならないものだと思います。
――高橋さん自身は、FIDIAでどんなワクワクを見つけているのですか?
高橋:ソフトバンクもSBIも、昔は業界の一部の人しか知らない会社だったのです。それが今や、誰もが知っている企業になりました。
これからの私の役目は、FIDIAと聞いたら、「ああ、あれをやっている会社ですね」と、誰もが即答できる会社になること。とにかく会社の認知度を上げていくことです。
それを考えているだけで、ワクワクしてきます。
多くの人が人生の多くの時間を仕事に費やします。
「仕事だから楽しくなくて当たり前。仕方なくやっている」では、せっかくの人生がつまらないですよね。
いつまでも上司からの指示を待っていたり、人から仕事をやらされていると感じるのではなく、自ら主体的に判断して動くことで、やりがいを感じられると思うのです。
僕だけでなく、世界で活躍し続けている人に共通するのはこの「ワクワク感」を持っているということです。
みなさんもぜひ本書を片手に世界に飛び出してみてください。