サウジアラビアなどのペルシャ湾岸産油国は近年、米国の地政学的ライバル関係でいずれかの側につくのを避けてきた。ウクライナ戦争では中立を貫き、中国とも関係を構築している。だがイスラエルとイランのあからさまな衝突が起きる中、こうした国々も立場を選ばざるを得なくなるかもしれない。シリアにあるイラン大使館が攻撃され、イラン革命防衛隊(IRGC)の司令官らが死亡した報復として、イランがイスラエルを攻撃することが先週明らかになり、サウジとアラブ首長国連邦(UAE)は傍観者でいられなくなった。アラブ当局者によると、サウジとUAEは情報を共有し、イランの大規模な空爆への防衛対応で圧倒的な成功を収めた。だが両国は米政府の望むものを全部与えることはしなかった。米国とイスラエルが彼らの領空を使ってミサイルや無人機(ドローン)を迎撃することを拒否したという。
イスラエル・イラン対立、湾岸諸国に強いる綱渡り
中東地域の微妙なバランスが紛争拡大で危うくなる
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