医療分野の投資家の最新のトレンドが大きな議論を呼んでいる。バイオテクノロジー分野の株式公開企業が市場の乱高下を乗り切るため、「PIPE(上場企業の私募増資を引き受けること)」を利用することが増えている。ジェフリーズのデータによると、1-3月期には米国のバイオテクノロジー企業がこの手法を使って過去最高の57億ドル(約8800億円)を調達した。PIPEは以前からある手法で、かつては公開資本市場から締め出された経営不振企業が主に利用する資金調達の選択肢と見られていた。しかし現在は、高く評価されている投資家や企業に利用されている。PIPEブームは、現金不足の企業と、バイオテクノロジーが専門の数十の投資家――アダージュ・キャピタルやRAキャピタル、ロゴス・キャピタル、ジャナス・ヘンダーソンなど――の両方に利益があることが分かっている。バイオテクノロジー企業にとってPIPEは、乱高下する公開市場を避けながら資金を調達し、経験豊かな投資家を引き付ける費用対効果の高い方法だ。ファンドマネジャーにとっては、魅力的な価格で投資を行い、団結して企業――多くの場合、ファンドマネジャーが既に投資している――を救済するチャンスだ。
米バイオ企業の私募増資、「インサイダー」批判も
米バイオテクノロジー業界で上場企業の私募増資が大流行しているが、非公開情報の扱いを巡り一部の投資家は憤慨
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