米フロリダ州出身のデジタル・マーケティング・ディレクター、ジェームズ・ランドルフさん(35)は、機内でかなり物わかりのいい乗客だ。ただし、席の交換を頼まれた場合は別だ。「99%の確率で断るだろう」とランドルフさんは言う。「私がこの席を選んだのだから、そこに座りたい。そのために追加料金も支払った」航空運賃の高騰とエコノミー席の制約増加によって、その単純な頼み事が機内やソーシャルメディア上では地雷原になりかねない。頼んだ人は自分勝手なけちんぼというレッテルを貼られ、断った人は思いやりのない嫌な奴だと見なされる。他の乗客がいら立つ中、しばしば客室乗務員に仲裁が任されることになる。座席の交換を巡るドラマが、ほぼ毎月のようにソーシャルメディアで話題を呼んでいる。