<正解>

「結婚している人が、独身の人を見ている」
 この一文はつねに正しいと言える

 はじめてこの問題を見たとき、「ファッ!?」と口に出して驚きました。
 だってどう考えても、「これだけでは決められない」としか思えなかったからです。
 だけどそこは論理的思考問題。
 ちゃんと答えが出る問題でした。
 SNSでも度々話題になる、論理的思考問題史上、最もシンプルで面白い一問だと思います。

謎に包まれたBのステータス

 問題文からわかっているのは、

 A=結婚している
 C=独身

 ということだけであり、Bは「結婚している/独身」が不明です。
 つまり3人の関係はそれぞれ、

 A(結婚)→B(?)→C(独身)

 という構図になり、「結婚している人が独身の人を見ている」という命題に「いつもかならず正しい」とは言えない……はずです。

検証すると見えてくる答え

 ですが、実際に検証してみると、そうではないことがわかります。
 答えを言ってしまうと、

 Bが「結婚している/独身」のどちらであっても命題は正しく成立します。

 では、検証してみましょう。

 ・Bが結婚している場合
  A(結婚)→B(結婚)→C(独身)

 結婚しているBが、独身のCを見ています。 

 ・Bが独身の場合
  A(結婚)→B(独身)→C(独身)

 結婚しているAが、独身のBを見ています。

 このように、Bが結婚していようがいまいが、「結婚している人が独身の人を見ている」という状況はつねに成立するのです。

「思考」のまとめ

 検証するだけで解ける、最もシンプルな問題でした。
 与えられている情報量が少ないからといって、すぐに「そんなはずがない」「わかるはずがない」とあきらめてはいけないと教えてくれます。
 情報を集めきってからでないと問題は解けないと思いがちですが、手元にある情報を使って検証してみると、意外とそれだけで答えが導けたりすることもあるんですね。

 ・情報が少ないからといって「わかるわけがない」という結論に飛びつかず、「まず考えてみる」という姿勢を大事にする

(本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)

野村裕之(のむら・ひろゆき)
都内上場企業のWebマーケター。論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者
ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1,500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。