米国の同盟国や敵は、米国が内紛にうつつを抜かし過ぎて自国や国益を守れないのではないかと思い始めていた。だから強調しておこう。米議会は機能不全で2党の勢力が拮抗(きっこう)しているが、それでも世界の危機を認識し、その課題に対応することを決めたのだ。米下院は20日、ウクライナとイスラエル、台湾を支援するための別々の法案を可決した。下院を通過した四つ目の法案には、凍結されているロシアの国家資産を接収することや、中国系のソーシャルメディアアプリ「TikTok(ティックトック)」の事業売却を強制する内容が盛り込まれていた。四つの法案は、超党派連合の形はさまざまだったものの、いずれも300票を超す支持を受け下院を通過した。インド太平洋地域のパートナーへの支援法案が賛成385・反対34と、最も多くの賛成票を集め、中国共産党の脅威に対する超党派のコンセンサスを証明した。イスラエルへの武器供与に関する法案には民主党37人、共和党21人が反対し、ウクライナ支援法案には共和党の112人が反対票を投じた。
【社説】米下院、「強い米国」に賛成票
ウクライナ・イスラエル・台湾への支援法案を超党派の賛成で可決
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