仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は、「若手に幹事を指導する方法」を紹介しよう――。

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頭が良くても「若手が有能にならない」な理由

社会人の先輩であるあなたがこれまでに培ってきた食事会での作法・振る舞いや、気遣いは、若手社員が一朝一夕で真似できるものではない。そのノウハウは、今後の日本経済の発展のために、決して絶やしてはならないものだ。

血と涙と汗で築き上げてきた会食での作法は、履歴書にこそ残らないが、紛うことなき「価値あるスキル」である。

だからこそ食事会での振る舞い・会食の作法・幹事などの業務は、たとえ優秀な若手であってもなかなか上達しない。若手の頃に何度も失敗し、苦い経験を乗り越えた経験値がないことには「有能な幹事」にはなれないのだ。

しかしそうは言っても、食事会の大切さについて、「年下の部下に伝える方法がわからない」「不要だと感じているに違いない」と思っている方は多いのではないだろうか。

また、いざ伝えようとしても「そもそもわざわざ伝えるものではない」「現代の子と昔とでは価値観が違う」と感じている方も多いのではないだろうか。

そこで、今回、新入社員や部下に「幹事としての振る舞い」を伝える際のコツを伝授したい。

自分なりの「仮説」を持たせるような指導を

まず一番大切なのは「幹事としての振る舞い」のような一見業務とは関係ないことであっても、業務と同程度の時間やコストを割いて、指導するという気概を持つことである。多忙な役職者の皆さまにおかれても、ここはぜひ、意識していただきたい。

そして部下のレベルを見極めたうえで、次の3段階で指導のスタンスを変えるのがおすすめだ。