「感謝」を求めない駐車場の管理人

 2日目、3日目と、レンタカーを借りたのだが、2日目は天文館にあるビジネスホテルに泊まることになり、そのホテル指定の駐車場にクルマを停めた。

 3日目は天文館をうろうろ歩くつもりだったので、ホテルのチェックアウト時間の11時を過ぎて14時まで、駐車をすることになった。ホテルのロビーでそれを伝えると、11時までは無料だが、11時から14時までは有料になると言われたので、当然、了承した。

 そして14時、空港へ向かうため、クルマを駐車場に取りに行ったのだが、この駐車場の管理人は、私に料金を払わせるそぶりを、なぜか見せない。「無料にしておいてあげます」とも言わない。

 同じようなことが立て続けに起きるということは、もしかすると、これは鹿児島では当たり前のことなのかと、私は帰りの飛行機でずっと考え込んでしまった。

 無料であることを相手に伝えなければ、感謝の念すら湧くこともない。本当は有料ですよ、という最小限のアピールすら、鹿児島の人にとってみたら「恩着せがましい」「人の道から外れている」ということなのだろうか。

 タクシーの運転手と駐車場の管理人の日常と変わらぬような表情や態度は、もはやこちらに感謝してほしいとすら思っていないように見えた。

 さて、冒頭でちょっと触れたが、「乾杯」「とんぼ」「しあわせになろうよ」など、多数のヒット曲で知られる歌手の長渕剛氏が、2018年にアイドルグループ「嵐」のテレビ番組『嵐にしやがれ』(日本テレビ系列)に出演した際、「東京に帰る前に必ず立ち寄る」と語ったラーメン屋がある。