米国の基調的なインフレ率が2022年に新型コロナウイルス流行下で5%超のピークに達してから、昨年末に3%を下回る水準にまで着実に低下した理由を説明するのは易しい。供給の改善、需要の鈍化、インフレ期待の定着が挙げられる。1-3月期にインフレ率が下げ止まった理由を説明するのはかなり難しい。経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は依然として良好に見える。つまり、需給は少なくとも労働市場では均衡状態に戻りつつあり、インフレ期待は低下傾向を示す。過去3カ月は統計上の「ノイズ(雑音)」であり、インフレ率はまだ2%へと低下する過程にあり、米連邦準備制度理事会(FRB)は早期に利下げに踏み切るべきだとの議論もある。
FRB悩ますインフレ下げ止まり、ノイズか新トレンドか
経済のファンダメンタルズに基づくとインフレ率は低下が続いてもよさそうだが、FRBはこうした見方をしていない
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