「子どもが増える少子化対策は?」で出てきた秀逸な回答は…
それを語るのは、これまでX(旧Twitter)上で8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題し、累計で200万以上の回答を見てきた「坊主」氏だ。いまや空前の「大喜利ブーム」。大喜利のように「斜め上の発想を出す」というスキルは、「面接での一言」「LINEでのうまい返し」「意中の相手を口説く言葉」「新企画のアイデア」などに使える“万能スキル”でもある。そんな大喜利について、世界で初めて思考法をまとめた話題の著書『大喜利の考え方』では、「どうすれば面白い発想が出てくるのか」「どんな角度で物事を見ればいいのか」などを超わかりやすく伝えてくれている。まさに「面白い人の頭の中」が丸わかり。そこで、この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、大喜利的な思考法を詳しく解説する。(構成/種岡 健)
「文字数」という逃げ方
大喜利の回答をするときに、「文字数」というテクニックがあります。
「あえて長文にする」ということで、回答に意味を持たせるようなテクニックです。
X(旧ツイッター)では、基本的に「140字以内」での投稿しかできませんよね(課金すると長文投稿もできます)。
そうすると、その制約を逆手に取ることができます。
〈お題〉
「子どもが増える少子化対策は?」選手権
〈回答〉
政治家を65歳で定年にすれば、現役子育てに関わる人たちが政治家になれるのでもっといい意見が出ると思います。ついでに未来ある人たちが政治家になれるので、日本の未来についてもっと真剣に考えられると思います。5年後生きてるかわからない年齢の人たちが日本の未……
これより先は辛辣な回答になりそうだというところで、140字に達しています。
それを狙っているのが、非常にうまいですね。
Xのように制約がなくても、「最後をあえてぼかすことで、相手に想像させる方法」は有効な手です。
「語尾」をぼかしてみる
他にも例を出しておきましょうか。
「ブスという言葉はあまり言えなくなりました。
人は見た目ではなく中身で判断すべきだということのようです。
ただ、そんな容姿ネタについて『ルッキズム、ルッキズム』とうるさい人をこないだスーパーマーケットで見かけたんですね。
手に取った野菜や果物を選ぶときに、何で判断しているかというと……」
炎上しそうなことは、こうやって言い切らないのもテクニックです。
それをズバッと言い切っちゃうのは、インフルエンサーのような人にしかできませんよね。
一般の人は、言いたいことは語尾をぼかす。
日本人らしくていいじゃないですか。
こういうテクニックも覚えておきましょう。
(本稿は、『大喜利の考え方』から一部抜粋した内容です。)
日本一の大喜利アカウント
X(旧Twitter)は、2024年1月現在で190万フォロワーを突破。元々、「2ちゃんねる」が大好きで、「匿名で面白い回答をする人がたくさんいる!」ということに衝撃を受け、Xでお題を出し続ける。これまで8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題。累計で2万以上のお題を出し、数百万以上の回答を見てきた。昼は僧侶として働く、正真正銘の「お坊さん」でもある。また、都内に「虚無僧バー」「スジャータ」というBARを2軒経営しており、誰でも1日店長ができる店として、さまざまな有名人やインフルエンサーなどに店長を任せている。BARの名前の由来も仏教からとられている。『大喜利の考え方』(ダイヤモンド社)が初の著書。