10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売になった。本記事では3回にわたり、本書の中にも掲載している「小3が算数オリンピックで解いている問題」を紹介しながら解説しよう。

難しく考えすぎるとわからなくなる!

 前回前々回とこちらの連載で紹介した算数オリンピックの問題はどうでしたか? 難問というわけではなく、意外とシンプルな解き方でいいのに、それを思いつくのが難しい問題ですよね。今回は、2014年のキッズBEEトライアル大会で出された問題を紹介します。ちなみに「算数オリンピック キッズBEE大会」とは、小学1~3年生を対象にした大会です。この問題の受験者の正答率は、35.8%です。算数オリンピックを受けるような天才キッズでも3人に1人しか解けない問題。さあ、解けるでしょうか? 簡単なのに、分からない。でも難しく考えすぎるとさらに分からない。そんな問題です!

同じ大きさのボールが3コあります。
2コのボールをつつにいれると、図1のように高さは14cmになりました。
3コのボールをつつに入れると、図2のように高さは20cmになりました。
さて、図3のように1コのボールをつつに入れると、高さは何cmになりますか。
【小3が算数オリンピックで解いている問題に挑戦!】同じ大きさのボール2個をつつにいれると高さは14cm。3個だと20cm。では1個なら?『「算数力」は小3までに育てなさい」(ダイヤモンド社刊より)