沈黙を守らざる得ない理由

 家族と絶縁したあとの人生がどのようなものか、ほとんど情報がないのは、多くのサバイバーが自身の苦難について沈黙を守るからです。
 そして家族と縁を切ることについて開けっぴろげに話す人がほとんどいないからこそ、絶縁は世間に広く誤解されているのです。

 サバイバーの中には、家族と絶縁したことを恥だと思い、大っぴらにしたがらない人たちもいます。あるいは、自分が冷酷な人だと思われたくない人もいます。
 他人から軽蔑されたり判断されたりするのが嫌で、家庭問題を隠そうとする人たちも大勢います。

 私はあなたに、心の奥に隠している罪悪感と混乱を表に出し、それらについて話し、精査し、許し、認め、そして立ち直ってほしいと思っています。
 あなたならきっと、自分を傷つけるだけだった経験をむしろ、世間に大きな影響を与える素晴らしい教訓に変えられると信じています。

 そのためには、精神的に深く傷つけてくる家族から自分を守るために下した決断、または下そうとしている決断について、誇りを持てるようにならなければなりません。

 今後、家族との間にどんなことがあろうとも、人生をその手に取り戻すために決断した自分を尊重してください。

※本稿は、シェリー・キャンベル著 髙瀨みどり訳『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。