誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />いつの間にか「毒親」になる人の“残念な共通点”Photo: Adobe Stock

子どもにストレスを与える
“毒親”

まるで「毒」のように、わが子に悪影響を及ぼす親は“毒親”と呼ばれます。親の理解度が低かったり、過干渉であったりすることで、子どもが過度にストレスを抱えている状態です。

もともとは、『毒になる親 一生苦しむ子供』の著者、スーザン・フォワードさんが、1989年につくった言葉のようです。

毒親は、子どもの意志を優先してあげられず、子どもが納得して自分の人生を選択して進むことを、無意識に、あるいは意図して妨害する親ともいえます。

親のワガママで
子どもの意志が潰される

ごくシンプルに言うと、親のワガママが根本的な問題なんです。親の都合で子どもの意志を蔑ろにして振り回す。

子どもには子どもの意志があるのに、親にとって都合が悪いから頭ごなしに否定する。子どもは混乱してしまい、自分の気持ちがわからなくなってしまいがちです。

親の顔色を気にする子

親の機嫌がいいと褒められ、不機嫌だと叱られるなど、親の感情に振り回されてしまうと、子どもは自分の感情や考え方を差し置いて、「親(他人)がどう思うのか」を優先して考えるようになります。

さらに親が、その時々の機嫌によって、言うことをコロコロ変えたり、頭ごなしに断定的な言い方をしていると、子どもは情緒不安定にもなります。

いずれにしても、こうした毒親のもとに育った子どもには、前回の記事で触れたように自分軸が育たず、常に他人軸で生きるようになり、他人に振り回されることが多くなるでしょう。

子どもは所有物ではなく
“別人格の他人”

子どもが幼いうちは親の管理下にありますが、わが子とはいえ、別人格の一人の人間であることを忘れてはいけません。

自分の思いどおりに、他人を動かそうとすると、いろんな面で悪影響が生じます。基本的には相手(子ども)の意志を優先して、ある程度の責任を持たせたうえで応援してあげることが大事です。

そのうえで子どもより経験豊かな親がサポートしてあげるというスタンスです。

いつの間にか
毒親にならないために

よかれと思って子どもに指示するような言動が積み重なると、いつの間にか毒親になってしまうかもしれません。

子どもの自分軸を尊重して接することで、子どもの納得感を育てることが、いつの間にか毒親にならないための第一歩だと思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。