転職エージェントの倒産が増えている
「真の理由」とは?
ここ最近、「転職エージェントの倒産が急増中」という趣旨の報道やブログ記事をよく目にするようになりました。そうした記事が出回るきっかけは、今年2月に発表された東京商工リサーチの調査結果だと思われます。
同社の調査によると、2023年における「人材関連サービス」の倒産件数は94件。コロナ前である2019年の倒産件数(70件)を4年ぶりに上回りました。また、23年に倒産した人材会社のうち「職業紹介業」は16件で、2000年以降で最多となりました。2019年の倒産件数(4件)と比べると4倍に増加しています。
ビジネス界全体で人手不足が常態化する中、転職エージェントの倒産件数が増えていることに意外性を感じた人もいるかもしれません。その要因としては「他社との競争が激化したこと」「人手不足が人材業界にも波及したこと」「コロナ禍に伴う雇調金が支給されなかったこと」などが指摘されているようです。
これらの指摘はもちろん一理ありますが、現役の転職エージェントとして活動する筆者は、本当の倒産理由は別にあると考えています。
転職エージェントの倒産が増えている「真の理由」は何なのでしょうか。勝ち残っている人材紹介会社と、そうでない会社は何が違うのでしょうか。当事者ならではの目線で解説します。