誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【精神科医が指南】完璧主義の人が自己嫌悪に陥る「納得の理由」Photo: Adobe Stock

完璧主義者がハマる
落とし穴

今日は完璧主義があまりにも強すぎると、うまく物ごとが進まなくなる落とし穴について話したいと思います。

仕事や勉強、何事についても同じですが、完璧主義の人は結構いますね。

そういう人には自分なりの高い理想があり、その理想が完璧に達成できないと自己嫌悪に陥ってしまうのです。

うまくいかないことを
受け入れる心の余裕

しかし、これでは自分にとってのベストなパフォーマンスが発揮できなくなってしまいます。

事実、何ごとも極限までギリギリの力を発揮して、どこまでできるかを試すということはできないものです。

誰しも、できることとできないことがあり、理想通りにうまくいかないことは、いくらでもあるわけです。

完璧主義ほど
パフォーマンスを発揮できない

しかし、そうなると完璧主義の人は、やる気をなくしてしまいます。0か100か、白か黒かのような二元論的な考え方に支配されているのです。

ちゃんとできないなら、やる意味がないと思い込み、目の前にあることを放棄したくなるのです。

つまり完璧主義が強ければ強いほど、実はベストパフォーマンスを発揮できなくなってしまうのです。

完璧主義のパラドックス

人間は完璧にできるはずがありませんし、思うようにいかないことだらけです。

完璧主義の人は、“頑張り屋さん”でもあります。そのこと自体は悪いことではありませんが、自分ができるはずのないことにもチャレンジし、完璧主義であるがゆえにやる気を失ってしまうという悪循環に陥るのです。

ここが難しいところで、完璧にやろうとする思いが強ければ強いほど、かえって自分の能力を最大限に発揮できなくなってしまうわけです。

完璧の意味合いを
最適化してみよう

だからこそ、完璧主義のいいところだけを活かして、“自分なりの完璧”を目指すことが大切です。「私は完璧に自分の能力を発揮したい」と発想をかえてあげればいいのです。

完璧には達成できないかもしれないけれども構わない。それでも自分の現在のポテンシャルを完璧に発揮するのです。

自分の性質は残したままで、心を楽にして、余裕を持ちながら最大パフォーマンスを出せるよう、自己管理することが大切なのです。そこにこそ「完璧」を貫けばいいのではないでしょうか。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。