バンクーバー五輪で銀メダルに輝いた浅田真央選手は、ジュニア時代に2回転から3回転にステップアップする時にとても苦労したそうです。彼女は常に3回転を飛ぶイメージトレーニングを行い、リンクでジャンプをしていたといいます。失敗続きの浅田選手でしたが、ある日イメージの中で3回転を成功させる映像が浮かんだそうです。その後、彼女はリンクで3回転を成功させ、その後ジャンプの天才と言われるようになったのです。

 では、実際にイメージトレーニングとはどのように行うのでしょうか。おすすめしたいのが、有名アスリートと自分の脳をスポッと入れ換えてしまうという方法です。

(1)あなたにとって憧れの野球選手を、まず誰か1人思い浮かべてください。
(2)あなたの脳が、その選手と入れ換わったと想像してください。
(3)あなたはその選手になりきって、一日を過ごしてみてください。

 たとえば、あなたが頭に思い浮かべたのが大谷翔平選手だとしましょう。大谷選手だったらどんな1日を過ごしているのでしょう。朝起きて最初にする行動から、いつもの自分とまったく違うかもしれません。食事だって健康を気づかい、体にいいものを摂取していることでしょう。

 練習だって決して手を抜くことはありません。その一方でとても合理的で、自分自身としっかりと対話しながら練習を進めていることでしょう。

 試合の際も、対戦相手と余裕を持って対峙しています。だってあなたは大谷選手なのですから。

 このように高いところに視座をおいて練習をすることで、あなたがどんな練習をしたら、素晴らしい結果を残せるのか、なんとなくわかるのではないでしょうか。

 塾高の生徒たちは、最初に日本一という目標を立てました。その後、彼らは日本一になるためにはどうあるべきか、日本一のチームはどんな練習をすべきかと、イメージを広げていきました。それを繰り返すうちに、甲子園に出たことがなかったチームが、日本一になるために必要で日本一にふさわしい練習をできるようになったのです。

 大事なのは自分のいいイメージをどんどん広げていくことです。いいプレーをするイメージを常にもちながら、日頃からイメージトレーニングを意識して行うことが大事なのです。