GWが終わり、次の祝日が7月中旬まで空いてしまうこの時期は、何かとストレスがたまりやすい。仕事に慣れなかったり、職場の人間関係がうまくいかなかったりして、「会社に行くのが憂鬱だなあ」と思っている人もいるかもしれない。しかし、悩みを一つひとつ解決していけば、意外にスッキリと心が晴れていくものだ。
そこで今回は、2023年ベストセラーランキングビジネス書部門で1位(日販/トーハン調べ)に輝き、「もっと早く読んでいればと後悔すらした」「ぶっ刺さりすぎて声出た」と反響を呼び続けている『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者・安達裕哉さんと、『「言葉にできる」は武器になる』の著者・梅田悟司さんに、第一印象をよくする方法について聞いてみた。(構成/根本隼)

目の前の相手が「話をちゃんと聞いているか」「聞いているふりだけか」を見抜く“すごい方法”Photo:Adobe Stock

第一印象をよくしたいです

Q. 自分は人見知りで、口数が少なめなので、第一印象が悪くなりがちです。こういう性格でも第一印象をよくする方法はありますか?

安達裕哉(以下、安達) 実は、喋れば喋るほど、第一印象が悪くなる可能性もあります。なぜなら、人間というのは、「自分の話を聞いてくれる人」を好きになるからです。なので、私は口数が少ないことが悪いとは全く思いません。

 無理にたくさん話そうとするよりも、適切なタイミングで質問したり、相手が話しやすい雰囲気を作ってあげたりすることの方が重要ではないでしょうか。

相手の目線を見れば「話を聞いているか」がわかる

梅田悟司(以下、梅田) 僕も、会話においては「いい聞き手」であることが大切だと考えています。随所で相づちを打つなどして、「興味を持って話を聞いている」ということを相手にアピールできれば、第一印象はグッとよくなるはずです。

 また、好感度という意味では「相手の目を見る」ことも大事ですね。要は、コミュニケーションでカギを握っているのは、豊富な知識や口数の多さではなく、「相手の話を理解しようとする姿勢」なんです。

 特に、社会的地位のある人ほど、相手の目線を見て、話をきちんと聞いているのか、聞いているふりだけなのかを判断しています

 話を聞こうとする真摯な姿勢は相手に伝わりますし、話の内容に理解が追いつかなくても、その姿勢に心を打たれることもあります。会話に参加しているときは、「自分は話を聞いている」ということを目線でも訴えた方がいいですね。

「相手に関心を持つ」ことが何より重要

安達 まさにその通りですね。あとは、「相手に気持ちよく話してもらう」ということも重要なポイントです。私がコンサルタントだったときは、重要人物に会う機会が多々あったので、この点には特に注意していました。

 ここで肝になるのが、「事前の情報収集」です。相手が喜んで話してくれそうなテーマを調べておいて、実際に会ったときに「記事で拝見したんですけど、○○がお好きなんですか?」などと趣味の話から始めると、気に入ってもらえて話が弾んだ記憶があります。

 『頭のいい人が話す前に考えていること』でも、コミュニケーションの黄金法則の1つとして「人は、ちゃんと考えてくれてる人を信頼する」ということを書きました。結局、「第一印象が悪い=その場の話や相手に興味がなさそうに見えた」ということなんだと思います。

 なので、できる範囲で、相手の関心事や業界の話題などを事前に把握しておくことが非常に重要です。そうすれば、「この人、私のことを考えてくれてるな」と思ってもらえて好感度が上がり、さらには信頼につながるコミュニケーションができるはずですよ。

(本稿は、『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者・安達裕哉さんの対談記事です)

安達裕哉(あだち・ゆうや)
Books&Apps運営、企業コンサルティング
Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。仕事、マネジメントに関するメディア『Books&Apps』を運営する一方で、企業の現場でコンサルティング活動を行う。著書に、2023年ベストセラーランキングビジネス書部門で1位(日販/トーハン調べ)となった『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)など。