セブン-イレブンが3カ月連続の減収、ファミマ・ローソンに「独り負け」の理由Photo:JIJI

主要業界・主要企業における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2024年6〜8月度のコンビニエンスストア編だ。

セブンが3カ月連続減収...何か異変が?

 コンビニの主要3社が発表した2024年6〜8月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯セブン-イレブン(セブン&アイホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
6月度:前年同月比99.5%(0.5%減)
7月度:同99.4%(0.6%減)
8月度:同99.8%(0.2%減)

◯ファミリーマートの既存店売上高
6月度:前年同月比102.9%(2.9%増)
7月度:同101.6%(1.6%増)
8月度:同101.2%(1.2%増)

◯ローソンの既存店売上高
6月度:前年同月比104.6%(4.6%増)
7月度:同102.7%(2.7%増)
8月度:同102%(2.0%増)

 ファミリーマートとローソンが3カ月連続で前年同月に比べて増収している一方、セブン-イレブンは3カ月連続で前年同月比でマイナスになっている。この事実に、驚いた人も多いのではないだろうか。

 セブン-イレブンといえば最近、親会社であるセブン&アイHDが、カナダの流通大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたことに関するニュースが連日報道されている。クシュタールの買収提案額が約390億ドル(約5兆5000億円)であるのに対して、セブン&アイHDは「当社の価値を著しく過小評価している」と応じない姿勢を表明したのが9月6日。続く8日にクシュタールは、「経営統合により、単独では達成できない大きな成果を生むことができる」との声明を出し、セブン&アイと交渉を続ける方針を示した。

 その後、13日にはセブン&アイHDが、海外投資家から出資を受ける際に事前届け出が原則必要となる外為法の「コア業種」に変更されたことを財務省が発表した。この発表を受けて、規制強化でクシュタールにとって買収のハードルが高くなったとの見方もある。

 コンビニの業績に話を戻すと、直近3カ月の既存店売上高を見る限り、セブン-イレブンが「独り負け」の様相を呈している。日本国内で2万店強を展開する業界最大手に、何か異変が起きているのだろうか? 過去5年弱分の月次動向を分析して、真の「コンビニ王者」かどうか確かめてみよう。