近年、「会社の飲み会に行きたくない」若手が増えているという。
「時間外労働」「残業代が出ない」「気遣いが面倒」…など、様々な声が聞かれる。
しかし一方で、面倒な雑務の代名詞である「ビジネス上の食事会」や「幹事の業務」に、
「前向きに取り組まないと置いていかれる」と考えている若手社員が増えていることもまた事実。
新刊『ビジネス会食完全攻略マニュアル』は、そういった若手社員に支持されている一冊だ。“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「食事会での実践的な振る舞い」を紹介した本書は、発売1ヵ月で2.1万部を突破した。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回はその著者yuuu氏に聞いた、「若手を飲み会に誘う時に注意すべきこと」を紹介する――。
「今日飲みに行く?」がやりづらい時代
かつては遅くまで残業をしていると、同じく残業していた上司が「飲みに行くぞ」を声をかける風景がビジネスシーンの日常であった。
しかし働き方改革が推進される昨今、コンサルティングファームや広告代理店をはじめとしたハードワークを厭わない会社でさえも労働時間が厳格に制約され、その結果、若手ビジネスパーソンは社内の人間関係を濃密なものにするチャンスを得がたくなっている。
そんな中、「昭和的」ともいわれる会食・飲み会スキルこそ、見直されるべきタイミングが来ていると私は考えている。
コロナ禍を経ても、会食・飲み会の場は消えなかった。周囲が真似できないほどの「堅牢な人間関係」を構築するために、すべての食事会は、人間にとって不可欠なものなのだ。
今回はそんな中でも、社内の人間を飲み会を誘うときのちょっとしたコツをお教えしよう。
直接声をかけずに、「メール」「チャット」で声をかける理由
オススメは、オフィスで直接声をかけるのではなく、まず、メール・チャットで誘うようにすることだ。
メールで声をかけるメリットは圧倒的に「断りやすい」という点だ。直接声をかけられると、人間心理的に断るのが難しくなるという人は多いのではないだろうか。
また、「飲み会を断った」というシーンを周囲の人に見られたくない、という人もいるだろう。「本当は断りたい」と思っていたとしても、周囲の目を気にして本音が言い出せないケースもあるかもしれない。
その点メールであれば、少なくとも他の人の目が気にならなくなる可能性は高い。そういったささいなコミュニケーションのズレを積み重ねると、その後ろめたさが高じて、「なんとなくあの人苦手」となりかねないので、注意するようにしたい。
「社内飲み会」とは、一見プライベートな飲み会のようでありながら、「パブリックな飲み会」としての性格を帯びていると私は考えている。「あの人は声をかけたけど、この人には声をかけなかった」というような状況になってしまうと、人間関係に微妙なヒビが入りかねない。もちろん毎回すべての人に声を掛けられればベターではあるが、それが難しければ、余計な社内政治のきっかけを作らないためにも、まずはメール・チャットで誘うのが無難だと私は考えている。
(本記事は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)