誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
何かしなくては……という焦り
今日は、何をしていいのかわからないときの対処法についてお話ししましょう。
よくありますよね、どうしたらいいのかわからないけれど、何かしなくてはいけないような気がして焦り、あれこれ迷ってしまうことが。そんなときは、どうすればいいのでしょうか?
アテクシの語り口をよく知っている人なら、たぶんこう答えるだろうと思います。「何もしなくていいのよ」と。
漠然とした焦りの原因とは?
こういう「何をしていいのかわからない」という状況は、けっこうあるのではないでしょうか。
「何かしなくてはいけない」とは思っていても、具体的に「何をしたらいいのか」がわからない。
しかし、それは単に冷静になれていないだけなのです。だから、やみくもに何かをしようとしても、うまくいかないでしょう。
焦って動いたときの落とし穴
目的地がわからないのに、とりあえず車に乗って走り出しても、意味がありません。むしろ、道に迷ったり、事故を起こしたりして、より状況が悪化しかねません。
だから「何をしていいのかわからない」ときは、基本的には何もしなくていいとき。なにもしないほうがいいときなのです。
ただ、「何もしないで待つ」ことが苦手な人もいます。特にせっかちな人は、常に何かをしていないと、漠然とした焦りを抱きがちです。
しかし、動いたからといって、上手くいくとは限りませんよね。かえって状況を悪化させてしまうこともあるわけです。
本当に動くべきときとは?
たとえば、道に迷ったとき、一生懸命動き回ったからといって、状況が好転するとは限りません。そういうときこそ、その場を動かず、むやみに体力を消耗しないように、様子を見るというのも大事なのです。
不安感が強い人ほど、じっとしていられずに、ムダに動きがち。何もしないでいると、不安な気持ちが募ってしまうからです。
その不安感を打ち消すために、なんとなく動こうとするのが一番危険なのです。不安に駆られて物事を動かすと、よいことはありません。
動くべきときは、不安がなく、衝動的な感情に揺さぶられず、冷静に考えられるときだということを覚えておいてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。