正直な気持ちを打ち明けておくと、最初にメンバーが保険業界向けの仕事をやりたいと申し出た時に私は「勘弁してくれよ」と思った。

 だが、自分が逃げたツケをここで払わされるのだと悟り、真摯に保険業界向けの仕事に取り組んだわけだ。

 現場の最前線の保険代理店や保険の販売員から、保険会社本体の代表取締役たちとも密室で議論を交わしながら幅広く、そして濃密な仕事をさせてもらった。

 そんな私が言うのだから間違いないが、保険は掛け捨て以外に入ってはいけない。

 もっと言えば、生身の人間に手数料を支払うような販売店や販売員を通して保険に入るのではなく、例外なくインターネット経由で入るべきである。

 たとえば私の書斎の火災保険を例に挙げよう。

 販売店や販売員を通して加入するのとインターネット経由で加入するのとでは、まったく同じ保険商品でも保険料が2倍違うのだ。

 親しくなった取引先にもこの知恵を教えてあげたところ、年間保険料がトータルで3分の1以下になったと小躍りしていた人もいる。

 保険のセールスが「万一の際に入るのが保険ですから、特約をつけるのが当たり前だと思います!」と、卑しく日焼けした顔にこれまたいやらしいホワイトニングを決め込んだ歯を見せながら迫ってくるのは、彼ら彼女らの手数料がべらぼうに高いからだ。

 がん保険の儲けの実態を知ると、あなたは販売員に殺意を抱くだろう。

お金のない人がローンを
組むことは絶望的な損失

 ローンとは単なる借金である。

 まず、この「地球は丸い」と同じ初歩を理解することだ。

 借金をすることは悪いことではないが、分不相応なものを買おうとしている事実を忘れてはいけない。

 借金をしなければ買えないものは、例外なく分不相応なものなのだ。

 この事実はいくら強調しても足りないくらいである。

 こういう話をすると必ずローンで直接的にも間接的にも暴利を貪っている輩や、自分がローンを組んだことを正当化したい弱者がこう反論するだろう。

「もし死んだらローンを払わなくてもよくなるから得だよ」と。

 まさしくそれが卑しい四流の脳からにじみ出る発想なのだ。