自分が死んだらお金を払わなくても済むかもしれないが、ローンを払ってでも購入したかったものを堪能することができなくなるから絶望的な損失だ。

 それに支払っている本人が死んで喜ぶのは配偶者であるという事実を知る者は少ない。

 つまり、「もし死んだらローンを払わなくてもよくなるから得だよ」とほざいている本人こそが、周囲から死を待ち望まれているおめでたいおバカさんなのである。

 ご理解いただけただろうか。

 ローンを組んでわざわざ2倍のお金を払う意味があると思い込んでいるのは身の丈に合った生活ができない貧乏人だけであり、まともな知能の持ち主であれば身の丈に合った賃貸一択なのだ。

 あるいは一括払いで購入できる人ならそれに越したことはない。

 5000万円のマンションなら、シュパッと5000万円払えばいい。

 1億円のマンションなら、シュパッと1億円払えばいい。

 シンプルだけど、それだけのことだ。

 それが一流の世界の常識である。

 念のため審査の常識として押さえておきたいのが、ローンというのはあなたの年収からそのまま綺麗に引かれるという事実だ。

 概してサラリーマンは虚勢を張って年収を高く見せたがる傾向にあるが、ローンを年間200万円支払っていたら、その分、年収はマイナスすべきである。

 たとえば年収600万円もらっていると思い込んでいるサラリーマンが、もし住宅ローンと車のローンを年間300万円支払っていたら、年収は300万円という自覚を持たなければならない。

 自覚というよりも、本当に年収300万円なのだが。

「本当は俺、年収600万円だけど、ローンがあるから300万円になってしまうけどね」という言い訳も不要だ。

 前置きはいっさい不要で、単なる年収300万円の人間なのである。それ以上でもそれ以下でもない。

 私はこれまでの人生で住宅も車もローンを組んだことはないが、四流の世界では珍しがられても一流の世界では「私も」「僕も」と異口同音に言われる。

 ローンを組むのは犯罪ではないが、組まないに越したことはないようだ。