BMWからメルセデス・ベンツグループに至るドイツの高級自動車メーカーはかつて中国の道路を牛耳っていた。今は違う。ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェAGと中国のディーラー(販売代理店)の間で最近起きた争いは、世界のプレミアムカーブランドの一角でさえも厄介な状況にあることを知らしめた。中国メディアによると、ポルシェのディーラーの一部が在庫の積み増しを拒否し、同社に追加の補助金を求めた。ポルシェと中国のディーラーは先週、複雑な問題に直面する中、市場の変化に対応する効果的な方法を見つけるために協力すると発表した。確かに、中国の自動車ディーラーはかなり厳しい状況にある。激しい価格競争に直面し、顧客に大幅な値引きを提示するしかなくなっているからだ。例えば、ポルシェやBMWといったブランドのディーラーである中国美東汽車控股の新車販売における粗利益率は、2021年にはプラス6.8%だったが、23年はマイナス0.6%に落ち込んだ。香港に上場している同社の時価総額は21年のピークから94%減少している。結局、自動車メーカーがより多くのリベートを提供し、自社の利幅を削らざるを得ない。
中国の高級車市場、ドイツ勢も安泰ならず
ポルシェの販売台数が減少、中国ディーラーとの争いが影落とす
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