子どもの頃に「おとなしい」と言われて嫌な思いをした方は多いのではないでしょうか。言っているほうは悪気はなくても、「おとなしい」という言葉にはどこか否定的な響きがあります。「内向的」という意味合いが込められている場合が多いからです。「外向的」な性格で悩んでいる人には会ったことがありませんが、「内向的」であることはよくないことと世間では受け止められてきました。しかし「内向的」な性格にも長所はたくさんあるのです。世界の大富豪イーロン・マスク、「ハリー・ポッター」シリーズの生みの親JK・ローリング、アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズなど、世界の偉人とも言われる多くの成功者は、子どもの頃に内向的な性格でした。一人で深く思考を重ねるのが好きでした。だからいじめの対象になることも少なくありませんでした。しかし彼らは、ある時点で自分を成長させ、自分の良さを保ったまま、世に出ることができたのです。本連載では、最新の脳科学研究から明らかになった、「おとなしさの真実」とさまざまな「性格をリセットして成長させる方法」をお伝えします。

【驚きの真実】占星術を信じるだけであなたの性格は変わってしまう?Photo:Adobe Stock

性格は生まれつきのものではなく、後天的に変化する

「性格」は人生のありとあらゆる場面に影響を及ぼします。

「自分は不安系内向型だった」「誠実性がないのでうまくいかない」と、焦る気持ちになる人もいるかもしれませんが、安心してください。性格というものは、実は意外なほど簡単に変わってしまうものです。意図的にシフトすることもできます。

 これはイギリスの実験ですが、占星術を信じている2000名以上を調べた結果、星座通りの性格の人が多かったそうです。しかし、占星術を知らない子どもたち1000名を調べた結果、性格と占星術にはほとんど相関が見られませんでした。

 つまり、「さそり座の人は情熱的な恋愛をする」「おひつじ座の人はおとなしい」というような言葉を信じると、実際に性格が変化してしまうことを意味しています(専門用語では信念バイアスとも言われます)。

 多くの人は驚くかもしれませんが、性格は生まれつきのものではなく、後天的に変化することがわかってきているのです。

※本記事は『「おとなしい人」の完全成功マニュアル 内向型の強みを活かして人生を切り拓く方法』西剛志(ダイヤモンド社)より抜粋したものです。