ANAとJALPhoto:PIXTA

北陸新幹線が福井県まで延伸して早3カ月。気になるのは航空へのインパクトだ。ANAとJALは今の便数を維持できるだろうか。9年前の北陸新幹線金沢開業時にさかのぼって、ANAとJAL、小松空港の減収額を試算した。さらに、東北や九州、そして札幌延伸を控える北海道新幹線による航空への影響を図解にすると、「新幹線と飛行機、どちらを利用するか」という“ニッポンの争点”に新たな定説があることが分かった。(空港アナリスト 齊藤成人)

新幹線vsエアライン
「地方空港」経営にも打撃か?

 2024年3月16日に、北陸新幹線が金沢(石川県)から敦賀(福井県)まで延伸し、東京~福井間は最速2時間51分で結ばれるようになった。

 福井県には福井空港があるにはあるが、同空港は1970年代を最後に定期路線が1本も飛んでおらず、今の実態は自家用小型機の訓練場となっている。そのため、福井の実質的な「空の玄関口」は石川県にある小松空港だ。小松空港の到着フロアには「恐竜王国 福井」の看板が付いた恐竜ロボットが鎮座している。

小松空港の到着フロア小松空港の到着フロア

 北陸新幹線の敦賀延伸により、懸念されたのは航空便への影響だ。小松空港は、羽田との往復が1日10往復(ANA4便、JAL6便)あるが、ひとまず今夏ダイヤ(3/31~10/26)ではこの便数が維持された。なお、羽田~小松便はかつて、ジャンボ・ジェットの愛称で呼ばれたボーイング747も飛んでいたほど旅客数が多かった。新幹線延伸後も、このまま便数を維持することはできるだろうか。