経営 X 人事
若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル
【第23回】 2009年12月3日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

ブラザー志願者は営業数字も上げる!
~アサヒビール人事担当者に聞く「かまい方」の仕掛け

ブラザーシスター向け
「育成ノート」の中身

 ブラザーシスター制度の運用法も、聞いてみました。

西郷直樹
アサヒビール人事部副課長西郷直樹さん

 公募を経て、ブラザーシスターとして選任された社員たちは、新入社員が入社してくる前、2月から3月にかけてコーチング、ティーチングについて半日の研修を受けます。東名阪など、全国8ブロックそれぞれにブラザーシスターは散在し、各所で仮配属された新入社員を指導することになります。

 ブラザーシスターはゴールデンウィーク明けにスタートし、9月の本配属までが任期。

 目指すゴールは、「正式配属されたときに1人で営業できるようにしてください、というものです」と西郷さんは説明します。

 そこから先は、各現場の地区総務がマネジメントします。ブラザーシスターと新入社員のマッチングは、性格面などのタイプを見て行うそうです。マッチングに際しては、本社人事が4月の研修期間中の様子などを見て、地区総務に情報提供します。

 いざスタートすると、「月1回は、必ずブラザーシスターとしての振り返りをしてください」との指示がありますが、基本的にはブラザーシスターに任されます。育成スケジュールもブラザーシスターが立てることになります。

 「本社人事としてブラザーシスターに対して行うガイダンスは大きく3項目。“無理をさせない”、“22:00以降に働かせることは(原則として)させない”、“ただの作業要員と扱わない”。そのような原則論を守ってもらうほか、期間が始まってしまえば全国の地区総務の管轄となり、育成方法は各ブラザーシスターに任されます」

 新人1人につき、正式なブラザーシスターに加えて、「パートナー」と呼ぶ補佐的なサブ・ブラザーもつけられます。アサヒビールの営業は、大きく「酒販店・飲食店営業」と「量販店営業」の2系統がありますが、双方から1人ずつメインかサブにつくことになっています。それによって、営業の全容を感じさせようという配慮です。

 このように「かまい方」は手厚い体制で進められます。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル

若手社員はなぜすぐに辞めてしまうのか――。放置プレー上司が多い中、早期離職を防ぐためには、若手を「“適度に”かまう」ことが大切。部下を辞めさせることなく成長させる人材マネジメントのノウハウを伝授する。

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