中学受験では、配点の大きい算数・国語が優先されて、社会・理科の勉強は後回しになりがち…そこで、家庭でも普段から社会の話題に触れておきたいもの。今回は、「政治家」になるための条件として「サンバン」と呼ばれるのは、いったいなにを指すのか?ぜひ親子で答え合わせをしてみよう。中学受験の社会科の大人気講師・馬屋原吉博先生の著書『今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る』から、わかりやすい解説を紹介する。(書籍オンライン編集部 初出:2023年11月10日)
地盤、看板、かばんの「サンバン」
「政治家になりたい!」と思ったら、どうすればよいのでしょうか。
まずは、政治家になるために必要な資格を確認してみましょう。国籍については「日本国民」であればよいため、外国人であっても帰化して日本国籍を取得すれば、立候補することが可能です。
年齢については、「衆議院議員」と「都道府県知事」に関しては「満30歳以上」、それ以外は原則として「満25歳以上」であることが条件となっています。
もちろん、この条件を満たしただけで政治家になれるわけではありません。政治家になるには、選挙に立候補し、多くの有権者に投票してもらう必要があります。
そのために必要になるのが「サンバン」、すなわち、「地盤(支持者)」「看板(知名度)」、そして「かばん(資金力)」です。
法務局に預ける供託金で最大600万円
「選挙にはお金がかかる」とよく言われます。まず、立候補するためには一定額の「供託金」を法務局に預けなければなりません。
一定の条件を満たせば返ってくるとはいえ、数十万円から最大600万円が必要となります(町村議会議員の選挙のみ供託金なし)。
そのほか、選挙運動に携わる人々に支払う人件費、選挙事務所や広告にかかる費用などを足すと、一般的な地方議会議員選挙でも数百万円、国政選挙になると数千万円ものお金が必要になることが多いようです。
選挙運動にかかる費用には上限が定められており、実質的にもっとも高いとみられるのが、参議院の比例代表選挙の5200万円です。さすがにこれだけかける人は多くはないようですが、それでも政治家になるためには、かなりの資金力が求められるのことはたしかです。