4月23日に行われた2023年の統一地方選挙。東京都では21区・20市・2町・4村で議員の選挙が行われました。筆者は4月初め、告示日(4月16日)のわずか2週間前に「区議選に出よう!」と思い立ち、渋谷区議会議員選挙に立候補しました。特定の政党に属しているわけでもない“フツーのビジネスパーソン”が、実際に選挙活動をやってみて知ったこととは?(コンテンツプロデューサー 高瀬敦也)
私は先週、4月23日に行われた渋谷区議会議員選挙に立候補して、落選しました。最初から、落選を前提とした立候補です。もちろん「渋谷区の役に立てる」と思ったから立候補したのですが、そもそも立候補を決めたのが告示2週間前。そんな甘い考えで準備もせずに当選できるとは思っていません。
簡単に自己紹介をすると、私は元々テレビ局で番組の企画などをしていましたが、その後独立し「この世のすべてはコンテンツである」をモットーに、コンテンツプロデューサーという肩書きで仕事をしています。
そして私は渋谷区に生まれ育ちました。地元愛が強くあります。子や孫や、その先の代まで、豊かで安心して暮らせる地域であり続けることを、一区民として願っています。だからこそ立候補したのですが、政治活動をしたこともないズブの素人です。特定の政党に属しているわけでもありません。それでも立候補したのは、「得られるものが大きいはず」と考えたからです。
「自治体は自ら稼ぐべきだ」という考えを伝えたい
最初に少しだけ私の考えをお話しさせてください。自治体は「自ら稼ぐべきだ」と考えています。具体的には、IP(知的財産)を開発し収益を上げます。IPとはアイデア・創作物など、知的財産として価値を持つモノのことです。分かりやすい例では熊本県の「くまモン」があります。マスコットキャラクターのみならず、映画・マンガ・音楽・ゲーム、そしてブラウザ・アプリの新サービスなど、さまざまな分野で自治体発のIP開発が可能だと考えています。とりわけ渋谷区はIP開発と相性がよく、モデルケースになると思います。
利益はさまざまな形で住民に還元されます。有名で利益が大きいIPが育てば、自治体の価値も上がりますし、税負担も軽減されるかもしれません。これらは自治体の予算ではなく、外部の民間企業のリスクで実施することも可能です。「渋谷区の魅力を上げ、人や企業が集まり、価値が上がり、税収を上げていく」必要がある、私はそう考えています。選挙に出たのは、こういう私の考え方を区民や渋谷区に関わる人に知ってもらえるかもしれないと考えたからです。
実際に選挙に出てみると、大きな学びがありました。以下簡単に、やってみて初めて分かったことをお伝えします。