生成AIというとChatGPTに代表されるチャット系サービスのイメージが強いかもしれないが、ひと口に生成AIといっても、実はさまざまな種類がある。「Perplexity AI」(パープレキシティ・エーアイ )は、ChatGPTと同じく対話型のインターフェースではあるが、検索に特化したサービスになっているのが他と違うところ。その特徴を最大限に活かしたのが「Perplexity Page」機能といえる。今回は、この機能がどのように使えるのか、具体的に三つの使用例を紹介する。情報収集の時間を大幅に短縮する「Perplexity Page」は、ビジネスの現場でも即戦力となりそうだ。(テクノロジーライター 大谷和利)
Apple Intelligenceにも欲しい機能、資料ページ生成
いきなり話が脱線するが、タイミングが重なったので一応触れておこう。Appleが6月11日、開発者向けイベント「WWDC24」で発表した生成AI技術「Apple Intelligence」は、対応機種がA17 Proを搭載したiPhoneやMシリーズチップを搭載したMacやiPadとはなるものの、システムレベルに組み込まれているので幅広いアプリからすべて無料で利用でき、かつデバイスに保存されている個人の情報を活用しながらもプライバシーが守られる点が画期的といえる。ただし、英語以外のサポートは2025年にずれ込むため、日本のユーザーがフルにその恩恵にあずかれるのは、まだ少し先の話となる。
今回の発表内容には含まれていなかった機能で、多言語対応を進める間に、Appleにぜひ実現してほしいものがある。それが、本記事のテーマ「Perplexity Page」のような、リファレンス付きの資料ページ生成機能だ。とはいえ、まだApple Intelligence自体が一般ユーザーには体験できない段階で、ないものねだりをしても仕方ない。ここからは、今、すぐに使える「Perplexity Page」の便利さを、三つのユースケースで紹介していこう。
「途方に暮れる」?一風変わったサービス名の由来
サービス名にもなっている“Perplexity”(パープレキシティ)は、耳慣れない英単語かもしれない。「困惑」「当惑」「途方に暮れる」という意味があり、AIでなくても、ビジネスで使う名前としては異色の命名に思える。あえてこの名を選んだ意図は、「ユーザーがネット検索で困惑することなく必要な情報を得られるようにしたい」というコンセプトに基づいており、「知識へのアクセスを民主化する」ことを目標にしている。
Perplexityは、無料プランでも独自の大規模言語モデルを利用した検索を無制限に行え、GPT-4やClaude-3を組み合わせたPro検索も1日5回まで実行できる。また、月額20ドルのPerplexity Proプランでは、1日に600回までPro検索のほか、アップロードしたPDF、CSV、画像などのファイルに関する質問や、Playground AIやDALL-Eなどを利用した画像生成も行える。
Perplexity PageはProプランの一部として提供される機能だが、業務用途で利用頻度が高ければ、これだけでも月額20ドルの価値があると思える機能だ。なお、PerplexityはPCのWebブラウザ、および同名のモバイルアプリから利用できるが、Perplexity Pageの生成は前者のみでサポートされている(閲覧はモバイルアプリからも可)。