テキスト生成AIとして今年大ブームになったChatGPTだが、この秋、大幅なアップデートが行われる。目玉の一つが、プログラムを書く必要もなく、質問に答えるだけで、用途にあわせて自分専用のGPTを作れる「GPTs」だ。今回は、ベータ版として公開されているGPTs機能を使って、商品企画担当者の業務を自動化するGPTをつくってみた。新商品のコンセプトを伝えるだけで、商品名やキャッチフレーズを考え、キービジュアルを作り、プレゼンテーションの構成原案まで自動生成してくれるGPTにしたいと思うが、さて、その実力は……?(テクノロジーライター 大谷和利)
ChatGPTが大幅に機能強化、会話形式でカスタマイズして
自分専用のGPTを作れるようになった
OpenAIは、自社の最新技術などを披露する秋のDevDayで、ChatGPTに大幅な改良を加えたことを発表した。今回追加された新機能の目玉が、BingによるWeb検索やDALL-E 3による画像生成がChatGPT内で同時に行えるようになったこと(=マルチモーダル化)。もう一つが、ユーザーがノーコードで独自のGPT※を作成できる「GPTs(ジーピーティーズ)機能」だ。本来、ChatGPTは汎用のGPTだが、GPTs機能を使えばユーザーごとにカスタマイズを行い、さまざまな用途に合わせて利用できるようになったのである。
※GPT…Generative Pre-trained Transformerの略。事前に大量のテキストデータを学習しており、文章の生成、質問応答、要約などができる技術のこと。
以前からChatGPTには応答の際の言葉遣いや雰囲気を好みや目的に合わせて設定しておくカスタム設定機能があったのだが、今回発表されたGPTsは、こうしたカスタム設定をより柔軟かつ深いレベルまで行えるようにしたもので、マルチモーダル化とあいまって、ChatGPTの有用性を一層高めるサービスといえる。GPTsは、ChatGPT Plusなどの課金ユーザー全員が利用でき、11月中にはユーザーが作成したGPTを販売して売り上げの一部を受け取れる、ストア機能も開設される予定だ。
GPTsの作成は、ChatGPTの[Explore]→[Create a GPT]から行うことができる。+ボタンをクリックすると、GPTの作成ヘルパーともいえるGPT Builderの画面へ移行し、質問に答える形で自分の作りたいGPTの説明をしていくと、簡単なものなら数分で仕上げられる。
ただし、ベータ版のためか、現状ではGPT Builderは英語で質問してくる。苦手な人は、まず日本語でのやりとりに切り替えるように依頼しておこう。テストのため筆者も切り替えてみたのだが、それでも途中で再び英語モードに戻る場合があった。必要に応じて、何回でも切り替えを促すと良いだろう。