資産性と居住性のバランスを考えよう
――よくわかりました。ということは「資産性」とは言いつつ「投資目的」ではないということでしょうか。
江口:おっしゃる通りです。住宅はあくまで「住むため」のものです。極端に居住性を下げるべきではないですし、稼ぐ手段として考えるのは得策ではありません。
ですから、家における資産性とは、「将来皆さんの選択肢を広げるためのもの」と考えるのが適切でしょう。
――そう考えると資産性は重要ですね。
江口:ただ、くり返しになりますが、居住性を極端に犠牲にするのはおすすめしません。仮に10年後高く売れそうだからと選んだ家の居住性が悪い場合、10年間毎日我慢をすることになります。こういったことだけは絶対に避けましょう。
私が日頃言っているのは「資産性」と「居住性」のバランスをどこに置くのかということです。
そのバランスは人それぞれですし、家庭環境や考え方によって大きく異なるでしょう。そこに正解はありませんし、資産性をあえて度外視して、居住性を重視してもいいのです。それで家族の笑顔が増えたらそれ以上のことはないと思います。
ですから、自分はどんな価値観なのか、将来の人生設計はどうなのかということを考えて最適解を見つけていくことが重要です。
――詳しく教えていただきありがとうございました。大変勉強になりました。