米半導体大手エヌビディアは、人工知能(AI)向け半導体の強い需要を追い風にして、時価総額世界トップへと駆け上がった。同社がけん引する現在のITブームは、今世紀に入る前後の時期の記憶をよみがえらせる。エヌビディアの半導体はAIブームの原動力となっており、高度なAIシステムの構築には欠かせないツールだ。こうしたAIシステムは最小限のプロンプト(指示や質問)で説得力のある文章や画像、音声を生み出す能力を持ち、人々の想像力をかき立てている。ITインフラ企業が直近で時価総額首位になったのはドットコム・ブームが絶頂期を迎えた2000年3月、米ネットワーク機器大手シスコシステムズがその座に就いたときだ。シスコは当時、インターネットという別の革命の波に乗っていた。同社の製品は芽生えたばかりの産業の動力源だった。エヌビディアと同様、シスコもマイクロソフトを抜いて時価総額首位に立った。