近年、日本には不動産バブルが到来している。加えてマイナス金利の解除も決定し、「家を買おうと思っていたけど、今はタイミングじゃないのでは?」と不安に感じている人も多いのではないだろうか。
そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では、著者の江口亮介氏のインタビューをお届けする。

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マンションと戸建て、結局どっちがいいの?

――家を買うときに悩むことのひとつとして「戸建てorマンション」があると思うのですが、どちらがいいのでしょうか

江口亮介(以下、江口):結論からいえば、どちらも正解です。世論的にはマンション優勢ですが、この2つは並列で語るべきことであり、そこに優劣はありません。

 ですので、「マンションがほしい人はマンション」、「戸建てがほしい人は戸建て」というのがいいでしょう。

 ただ、1点注意してほしいことがあります。それは条件的にはマンションのほうがいいのに戸建てを希望していたりするパターンです。もちろん、逆もあります。

 こうなると、家探しはかなり難しいものになってしまいます。

――どういうことでしょうか

江口:「マンションがほしいからマンション」「戸建てがほしいから戸建て」という選び方も決して悪くはありませんが、理想は「どうして家がほしいのか」という理由から選択をしていくべきです。

 たとえば、子供が3人いる5人家族がマンションを探していたとします。家がほしい理由が今の賃貸が手狭になってきたからだとするとマンションにこだわる必要はないですよね。

 もちろん、マンションでも広い家はありますが、その分金額も上がります。それであれば戸建ても視野に入れて検討すべきなのではないでしょうか。

 逆も同じです。家を探している共働き夫婦が都心で資産性の高い家を希望していたとすると戸建てはまず難しいでしょう。もちろん、都心で土地付きの戸建てを買えたら資産性はありますが、そんな物件を探すのはどのくらい現実的なのでしょうか。

 きっとマンションも視野に入れたほうが、効率よく希望の物件は見つかると思います。

 このように、マンションか戸建てかは「どうして家がほしいのか」という理由と連動させて考えていくのが重要なのです。

「マンションに憧れがある」、「戸建てが好き」という気持ちは、ものすごく理解できますが、そこにこだわりすぎると自分の首を締めてしまうだけです。