パレスチナ自治区ガザ中部で先週、武装したパレスチナ人の男らが国連の倉庫を訪れ、保管されていた援助物資を見せるよう要求した。彼らが狙っていたのは食料でも燃料や医薬品でもない。物資の中に隠されていた密輸たばこだ。国連職員が明らかにしたこの出来事は、ガザでの援助物資の輸送を妨げる深刻な要因が新たに浮上したことを物語る。たばこの価格高騰を受けた密輸の横行は、法秩序の崩壊が人命救助物資の輸送を遅らせていることを改めて浮き彫りにしている。国連職員やイスラエル当局者によれば、援助物資を運ぶトラックやそれを保管する倉庫がパレスチナ人密輸グループの標的になっている。仲間が物資の中に隠した密輸たばこを回収するためだという。さらに現地住民も、たばこを隠していると思われる車両を襲撃している。